パーキンソン病と共に生きる人たちとダンス

パーキンソン病と共に生きる人たちのためのダンスのクラスのお話。ビデオを見た後、なんだかこちらまで心と体がほぐされたような気がしました。特にみんなで輪になって、エナジーを隣の人へと渡していくところ。インタビューされた人が言っていますが、「いつも泣きそうになる」位、根底に「優しさ」があふれています。

マーク・モリスダンスグループといえば、モダン・コンテンポラリーダンスをする人なら、一度は名前を聞いたことのあるくらい、世界的に有名なNYのカンパニー。このカンパニーが、2001年にブルックリンにあるパーキンソン病支援団体、The Brooklyn Parkinson Groupのディレクターから頼まれ、ダンスのクラスをはじめたのがきっかけで、今はここのプログラム、The Dance for PD®はアメリカを含め、12ヶ国に広がりを見せています。The Dance for PD®のウェブサイト(http://danceforparkinsons.org/)によりますと、このプログラム自体はまだ日本には入ってきていないようですが、日本でもパーキンソン病と共に生きる人たちのためにダンスを教えている人たちは、もちろんいらっしゃいます。

「パーキンソン病のことを知ってもらおうとか、特定の症状に対してどのようなことをしたらいいとか、そういうことではない」とマーク・モリスカンパニーのダンサーは言われたようです。それより、プロのダンサーになるために受けてきているトレーニングやアーティストとしての経験のすべてが、パーキンソン病と共に生きている人たちにとって価値があり、それをシェアーしてほしい, と。ダンサーたちの思考、イマジネーション、目、耳、バランスやリズム、動きの中での感情・マインド・体への集中力・・・・・、それらすべて。
パーキンソン病のような神経変性疾患に、何かしらの運動が良いということだけではなく、パーキンソン病と共に生きる人たちが陥りやすい孤立・孤独感をダンスは取り除くことができる、そしてなにより、(このビデオの最後の締めくくりにも出てきますが)、The essence of dance is joy(=ダンスのエッセンスは「喜び」である)。

アーティストが社会にどのようにフィットするのか、アーティストはまだまだたくさん社会にたいしてオファーできるものがあるのではないか、ということを知ってもらえるビデオでもあります。